子宮頸癌は、子宮頸部 (子宮下部の産道に相当する部分)にできる癌です。近年、発症年齢が若くなってきています。結婚出産前に発症すると、手術による子宮摘出のため、子供を産めなくなってしまいます。
さらに、子宮頸癌に実施される手術 (広汎子宮全摘術)には、排尿・排便障害をはじめ、下肢のリンパ浮腫、蜂窩織炎など合併症が多く、術後の日常生活に大きな支障をきたします。手術の他には、放射線療法や化学療法が行われます。これらの治療で克服できる場合が多いですが、再発した場合の有効な治療法は限られているのが現状であり、日本では毎年3000人前後が子宮頸癌により命を落としています。子宮頸癌は、発症してから治療するよりも、予防が重要です。
子宮頸癌の早期発見・治療効果は疫学的にも証明されており、子宮がん検診が推奨されておりますが、日本では他の先進諸国と比べ、検診の受診率が低いのが現状です。
子宮頸癌の主な原因はヒトパピローマウイルス (HPV)とされ、性交渉によりうつります。従って、初交前にHPVに対しワクチンを打つことが推奨されております。近年日本でも子宮頸癌ワクチンへの理解が深まってきておりますが、諸外国に比べると、接種率はまだまだと言わざるを得ません。
当クリニックでは、婦人科がんの診療経験豊富な婦人科腫瘍専門医が、婦人科検診を行います。
また、子宮頸癌ワクチンも取り扱っております。「婦人科に受診するのはちょっと・・」という悩みや迷いがあるかと思いますが、子宮頸癌に罹らないためにも、ぜひとも受診ください。皆さまのご来院をお待ちしております。